マインドコントロール
◎4つのコントロールについて

スティーヴン・ハッサン氏はマインド・コントロールは
次の4つの基本的構成要素からなると考えています。

思想コントロール

行動コントロール

感情コントロール

情報コントロール

これらの4つの構成要素は、マインド・コントロールを
理解するための指針であって、破壊的カルトがこの4つの
要素をすべて実践し、または極端な形で行っているというわけでは
ありません。最も問題になるのは、ある個人が現実に選択を失う能力や
自由意志に与える包括的なインパクトであります。個人の独自性や才能、
技能、創造性、自由意志は尊重されるべきであって抑圧されるものでは
ありませんが、マインド・コントロールは破壊的カルト・教祖(リーダー)のイメージ
通りに人々を作り変えようとするものです。この過程は「クローン化」として知られて
います。こうして生まれた「カルトのアイデンティティ」は、その人間にとって重要な
人間関係や必要な信念、価値観を含む、それ以前のアイデンティティからその分類を
するための系統的プロセスの結果、作り出されたものです。こうして二重の
自己「アイデンティティ」が生み出されるのです。
       〔『マインド・コントロールの恐怖』〕スティーヴン・ハッサンより 


◎経験者からのマインド・コントロールについての実例

過去の様々な破壊的カルトの被害によって、マインド・コントロールと
いう言葉が勝手に一人歩きしています。マインド・コントロールに
ついて書いてある本や文を読むと、ほとんどの人は「自分は絶対に
かからない」と思うでしょう。細かい学術的分析は、学者にまかせるとして、
私は具体的な手法と、その手法にコントロールをされていった自分の
体験をスティーヴン・ハッサン氏の4つの基本的要素をふまえて、
ここで考察したいと思います。


◇普通の生活にこそ、落とし穴がある

私達は、その時その時で悩みを抱えていたり、たまたま暇な時間を
持て余していたり、内向的に自分を深く見つめている時など
あらゆる場面を持っています。人間は 誰でも心に隙や渇きを持っています。
偶然、相手と相性が良かったり、道で声をかけられたり、親切に
相談に乗ってくれたり、また溢れるような愛情表現をされたら、
それを拒否できるでしょうか。マインド・コントロールの第一段階は、
人と人との距離感や、その人の生育歴などが影響し、まずは相手に
警戒心を持たせない巧みな交わりの中から、土に種を蒔くように、
初期段階を固めていきます。相手を騙して強引に引っ張り込む
パターンもありますが、そういう所は団体名を知られているので、
正体を隠し近づいてきます。わざわざ自分から、マインド・コントロールを
かけて下さいと申し出る人などいません。この対人距離の取り方、
迷いや寂しさを埋めるという当初の目的を果たせばマインド・コントロールの
初期段階は終了ということになります。もちろん、本人には そんな事実を
知る術はなく、興味のある場所が出来たくらいにしか感じません。


◇自分のプライベートを話す危険性

マインド・コントロールをかける人は、その人との会話からプライベートな
内容を聴き出します。何故 そんなことをするかというと、その人が
何を求め、何に迷い悩んでいるかを知るためです。ある程度
信頼関係が出来上がると、人は気楽に自分の話をしてしまいます。
ここで、マインド・コントロールをかける方は一度蒔いた種を取り出し、
その人の求めている解答や解決向けの種を選び、しっかりと植えつけます。
これは各議論ある団体によって蒔く種が違ってきます。ある団体は、
物品で、または さらに仲間を増やすと、その徳でと異なります。
その時は まだ半分は疑っています。しかし 現状を変えたい、
ステップアップしたいと願う人や、純粋に それで世界平和が実現するならと
半信半疑で言われた通りに一度はしてみようと思います。ここで、
自分のしようとしていることに批判をされると、その半信半疑の気持ち
に火が付き、自分を正当化しようという心の動きが出てきてしまいます。


◇自分の時間が なくなっていく

 何かと用事や、ためになる事だと教えられ、普段の生活に、その団体の
人が多く登場するようになります。そして、その団体特有の言い回しや
言葉・単語などが自然に身についてきます。「私は この団体では
こんなに歓迎されて大切にされているのだ」という気持ちが、少しずつ
湧いてきます。その嬉しい気持ちから、もっとたくさんの事を知りたいと
思い、自分の時間が その団体によって失っていることも気付かなく
なります。幸せ・親孝行・愛など細部に渡って、今まで知らなかった
解釈や思想を教えられます。これが俗にいう4つのコントロールで
いうところの『思想コントロール』となっていきます。この時は目の前が、
パァーッと開けた気持ちになります。私は もしかしたら、頑張れば
本物の幸せと世の中の真実を知ることが出来るかもしれないと
思い始めるのです。リーダー格の人は、とことん優しく、自分の家族より
親しみを感じ、リーダーを観察し始める時期でもあります。その結果
リーダーが、いかに自分は幸せかを見せつけ(そう見せる)、どうやって
自分のようになれたかを教えます。そこで、団体の思想だけが正しい、
疑問をもつことは、今のあなたには まだ早い、とにかく あなたのために・・
と言って、その団体特有の修行、教え、方向性、トップの意見の正しさを
くどく くどくあらゆる例を出しながら根気よく話します。その時の自分は
こんなに目をかけてもらっていると信じ、無意識のうちに団体に
添って生き始めます。


◇競争心を煽る

その団体に入ると、個々の特徴により、環境が変わっていきます。
たとえば、衣食住の変化、部屋に その団体の物を置く、団体の
活動でメンバー同士の接触が頻繁になるので、今までの友人など
忘れてしまいます。常に、メンバー同士が一緒なので、共通の話題も
出来、濃密な擬似家族を作り上げ、さらに、メンバー同士の競争心を
煽り、新しいメンバー勧誘を賞賛されれば そのようになりますし、厳しい
修行に耐えれば そちらに向かうという、半ば 操り人形状態になります。
しかし本人は 自分は選ばれた人間であると教え込まれていたり、
リーダーに気にいられ、自分の存在価値をアピールしたくなるように
もっていかれるので4つのコントロールの『行動のコントロール』に
かかったことになります。何でもリーダーに従い、それでも飴とムチを
リーダーは使いわけるのでメンバーは、離れ難くなっています。


◇大勢の前での告白劇

この頃になると、内部で知り合いや仲間も増え、辛いこと、体力的に
無理なことを強いられても励ましあい、そのように頑張れる自分に
自己陶酔していきます。そして、秘守義務のない大勢のメンバーの
前で、自分の中で人に言えなかったシビアな体験、隠し事などを
告白させられることがあります。この時は 長年胸に詰まっていた
重荷を吐き出したような錯覚に陥り、とても気分爽快になります。
実際は その話をしっかり覚えられていて、その後の自分の弱みとして
使われるのですが、そのようなことは思い付きません。こうして お互いの
告白を知り合った仲なので、益々結束は強くなり、今度はトップの人
(指導者)に従わないと幸福になれないと、何度も何度も教えられます。
ここでトップに従わないと、大変不幸なことが起るということを、真実か
どうかは わかりませんが、実例として 辞めて不幸になった人、命を
落とした人の話を聞かされ、初めて辞めることの恐怖を知ります。告白を
すると人間は依存的になりますので、心の状態が悪くなり、体調を
崩し気味になります。すると、今度は 修行または、勧誘、寄付金が
足りないからそんな体になったと徹底的に攻撃されます。これが4つの
コントロールの『感情のコントロール』です。本人は もう辛いのです。
でも 辞めたら、怖いのです。どうしていいかわからず、そのまま
時間だけが過ぎていきます。


◇シャットアウトの余波

団体内と外の情報が違うので、団体以外からの情報はウソだと
教え込まれていますので、この時点で いくら正しい情報を
投げかけても自分で判断することが出来ません。何故なら、メンバーは
場合によっては仕事を辞めさせられて、団体活動をしているので、
最初の「疑問を持つな」というコントロールが深くかかっているため、
自分では何も判断できない状態になっています。団体は どんどん
人数を増やし勢力拡大を狙っているので、古くなったメンバーを新しい
メンバーのお守り役にし、団体内部が潤滑にいくように目を光らせることに
なります。多くの場合は天変地異、戦争などを持ち出し、そこにトップが
いかに影響力を与えているかを でっちあげ自分を誇張し、TVや
新聞での出来事は、最初から わかっていたといいます。自分達の
ウソを見破られないために、外の情報をデタラメとし、都合のいい部分だけ
取り出し、さも自分が特殊な能力・特殊なポジションにいるかを示します。
これが4つのコントロールの『情報のコントロール』です。この時は もう
疑問をもつことを禁止され、そのような思考を奪われているので、何を
言っても耳には入りません。団体のトップは自分を 大きく見せるため
あらゆる努力をします。しかし 調べられると困るので、そのためにも情報を
コントロールし、疑問を持たないという徹底した教えが脈々と流れて
いるのです


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