以下の文は、NPO小諸いずみ会会報2005年6月号より
「いのちの家」所長の、川崎経子先生の文章を、御本人に
直接お会いし、許可を得て、掲載しております。






広辞苑によると「因縁」とは「直接的原因(因)と間接的条件
(縁)または、それから結果(果)が生じること」とあります。
統一協会は、その因縁をひと捻りして、霊界を原因、現実
世界を結果として「人々の幸・不幸は先祖の善・悪の業の
結果」とします。そして「地獄の底で苦しむ先祖の霊を開放し、
因縁を断ち切らねば将来必ず不幸に襲われる。そのためには
血と汗と涙の結晶であるお金を捧げなさい」と人々を畏怖させ、
過酷なまでの高額献金をさせたり、印鑑、念珠、壷、多宝塔、
弥勒菩薩像などの高額な物品を購入させたりします。
こうしたお金を捻出するため、家族に内緒で多額なお金を
持ち出したり、親類、友人に借金したり、カードローン、中には
サラ金まで手を出す信者は後を絶ちません。

 統一協会は正式名を「世界基督教統一神霊協会」と称し、
キリスト教を標榜していますが、政治も科学も思想も宗教も
統一するのが目標であるとして、集金目的のためなら
弥勒菩薩まで持ち出し、仏教の色彩を装うことも何の
ためらいもありません。
 イエス・キリストは、生まれつき盲人を見た弟子たちから
「この人が生まれつき盲人なのは誰が罪を犯したからですか」
と尋ねられると「本人の罪でも親の罪でもない。ただ神の
みわざが彼の上に現れるためである」と言われ、その盲人に
前向きに生きる力を与えられました。(ヨハネ9章)。
後ろ向きになって先祖の罪にその原因を探してみて何も
生まれません。主イエスは、この人が盲人であることを、
将来に神の素晴らしいみわざが現れる結果を生む原因
とすることで、前向きの因縁へと転換されたのです。
統一協会の教える後ろ向きの因縁とは雲泥の差が
ここにあります。

 今回は統一協会の因縁について考えたいと思います。
最近の信者は教義や理論より「心情」や「霊界」で
信仰を支えている人が増えています。彼らが手軽に「因縁」
と言うちきは、例えば「相対者(配偶者)との心情因縁が
とてもよい」というように、単に「関係」ぐらいの意味で用いる
場合もありますが、先に述べたように、人間が抜き差しならない
ようなおどろおどろしい霊の絡みの中で、霊が人間に与える
幸いや、呪いや祟りを受けている状態を表します。
信者にとっては、日常些細な出来事にいたるまで生活の
全てが霊との因縁絡みで起こるとされていますので、霊界は
実に身近で大きい存在であり、常に霊界を意識して生活
するようになります。また、彼らはすべての出来事を自分の
中で自分なりに霊界との因縁で意味づけする技術を知らず
知らずに身につけています。その意味づけは、その時々の
状況の中で自分に都合よく適当にデッチ上げられます。
このことからでも、因縁のインチキ性は見えてくる筈ですが
彼らの目は霊界の厚い霧にスッポリ覆われて、それが
見えません。いずれにしても目的次第で因縁の当て嵌め
方が見事に180度も違う場合もよくあります。
簡単な例を一つ紹介します。

 ある家の3人姉妹が3人揃って統一協会に伝道されて
しまいました。3人とも初歩の教育段階にいましたので、
賛美のシャワー(賞めること)が必要な必要な時期と判断
されたのでしょう。「あなたがたのご先祖は稀にしか出現
しないとても立派な方々です。姉妹3人とも
メシヤ文鮮明先生を受け入れて信じることが出来たのは、
どう考えてもご先祖さまの偉大な功労によるものですね」
と褒めそやされます。3人は、「自分たちの先祖は物凄く
偉いりっぱな人たちだったのだ」と気をよくしていきました。
ところがある日、支部長がやってきて3人に声をかけました。
「ああ、君たちだね。3姉妹が3人揃って復帰(伝道)
されたんだってね。その意味がわかるかな?それは君達の
先祖の犯した罪がとてつもなく大きくて、子孫の一人が
復帰されたくらいでは蕩滅(罪の償い)ができないから
なんだよ。霊界で苦しんでいる先祖の罪をよく自覚して、
先祖を救うため3人で力を合わせて頑張るんだね。
そして地獄の底で苦しみ悶え喘いでいる先祖を救って
あげなさい」と励ましたというのです。
 利用目的が変われば、それに応じて先祖の評価も
意味づけも大逆転してしまうのです。この場合、上層部
の打ち合わせと確認ミスで、3姉妹の対応が統一されて
いなかったに過ぎないのです。しかし彼女達にとって
大事件でした。まるで仮面ライダーかウルトラマンだか
わかりませんが、尊敬していたご先祖さまが「変身!
シュワー!」とばかり大悪人になったのですから、
正に鳩が豆鉄砲を喰ったようにびっくり仰天したそうです。
この3人姉妹は脱会後、私に「私達の先祖は素晴らしい
善人だったのでしょうか。それとも大悪人だったので
しょうか?」と真剣な眼差しで質問してきたことを覚えて
います。
 信者の大部分の信者はこれと似た経験をしているはず
です。勧誘されて通い始めたビデオセンターでは
「ここに来られたのはご先祖さまの功績ですね。導いて
下さったご先祖さまに感謝しましょうね。」と誰でも
言われます。ところがそれから数ヶ月後、印鑑や念珠など
を買わされる段階では「あなたは氏族のメシヤとして
地獄の底で苦しんでいる先祖を救う使命がある。
そのためには出家しなければならない。もし出家できない
なら、その代わりとして命の次に大切な血と汗と涙の
結晶であるお金を捧げなさい。またご先祖さまの救いの
ため、これらの物品(壷、多宝塔・・)を授かりなさい」と
言われるのです。にせのにわか霊能者になるため
因縁トーク集を勉強させられた信者が脅し役の霊能者を
演じてお金を出させます。これが世にいう「霊感商法」
です。
 あの桜田順子の合同結婚式の頃のことです。
ある男性信者が重労働しながら7日間の成約断食
(合同結婚式の必須条件の一つ)をしている最中、それが
原因だったかどうか分かりませんが、突然死亡したのです。
噂を聞いた信者達は心穏やかではありません。
その人は罪を犯していたために祝福(合同結婚式)直前に
なって霊界から打たれたのか、それとも信者達が目的達成に
失敗したための犠牲的代理蕩滅(罪滅ぼし)だったのか、
アベル(信仰の先輩)はどう説明するだろうかと関心を抱いた
そうですが、教会長たちもすぐにはコメントしませんでした。
そして暫くしてから「彼の死は殉教の死」とと発表されたそうです。
まず、ショッキングな噂が信者間に流布されてしまったので、
チャーチによって不統一な説明になることを畏れ、上層部で
因縁説明の統一を図っていたのでしょう。
 とにかく因縁の意味づけと霊界への繋げ方は、そのケースの
利用目的に合わせ、どんなにでも脚色編集が自由になされ
ます。理由は簡単、それは“死人に口なし”だからです。
いくらご先祖を利用しても霊界から苦情も来ないし、
名誉毀損で霊界から訴えられる心配もないからです。
統一協会の中で利用目的に合わせて因縁話が作られて
利用されていくプロセスを数え切れないほど知っています。
 しかし信者達は、たとえカラクリを知っていたとしても、因縁
トークを語る側も、語られる側と同じように知らず知らずのうちに
「絶対の力を持つ霊界が自分達の背後にあって自分達を
いつも見ている」という強迫観念に強く囚われているから
不思議です。だからミイラ取りがミイラになるのと似て、共々に
霊界の迷路に深く迷い込んでしまうのです。内部で
いみじくもこんな言葉が語られています。
「ウソも百万遍言えば真実になる」。
だからウソと真実の境目がなくなるのです。たとえ自分の先祖
の評価が180度変わって「おかしいな」とふと思ったとしても、
その時、その時、それを真実として受け取る術を見つけて
容易にそれを信じ込んでしまいます。これこそ霊界の
強迫観念のなせるわざです。
 この強迫観念の中で、彼らは先輩信者のつくり出す
因縁話をその都度真実として受け取り、矛盾を認めること
ができなくなっているのです。

 皆さん!霊界の因縁など絶対にありません。
死者の霊がこの世に影響を及ぼすことなど全くありません。
このことを一番よく知っているのは、実は因縁話を作っている
当の統一協会の信者なのです。もし死者の霊がこの世に
影響を及ぼしたら、彼らはお金集めのために死者の名誉を
傷つけるこんな出鱈目な因縁話などつくることが出来る
でしょうか。ありもしないオカルト(超自然的な神霊現象)
を信じることはカルト(狂信的)宗教に入る入り口です。
要注意!!





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